【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
昇降口に集まって、空を見上げる。


青くて、途方もなく……広い。


 泣きそうになるほど、清々しい気持ちが溢れてくる。



 本当に泣いてしまった私を、みんなは笑っていた。


「嘘つきなデネブと、戻れてよかったね」


 西田さんが、私の背中に手を置く。反対側に立っている栞ちゃんも重ねるように手を添えた。


「うん」


 ”大賀君”がした他人のフリ。

 どれひとつ見破れなかった。


 自己犠牲、貫き通された大きな嘘。はーくんは……優しさで、できているんだと思う。

 ごめんね。有難う。何度言っても足りそうにないね。


「人のこと嘘つきなデネブとかいうのやめてくれない?」

「自分でつけた曲名でしょ?」

「あーもう、恥ずかしいからやめろ!」


 はーくんは、笑っている。 私の隣で、みんなの真ん中で、心の底から。


 このかけがえのない友達は、蓮がくれたんだって思ってもいいよね。
 
 

 人生は、何かを失うことがたくさんある。だけど補ってくれるものも確かにある。



誰一人、色のかぶらない、このカラフルな世界で。


悲しむ誰かがいれば、手を取り、新しい色で補って、一緒に空を見上げたい。


 生きるって、当たり前が……当たり前になりますように。



 大賀君は、やさしい嘘でできている。(完)


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