心、理、初
告白1、2、3
○二階の心の部屋(朝)
心はベットの上に座って、机に置かれている大きな熊さんを見ている。
心「辺寺が私を好きだって…大好きだから店を辞めないんだって…それは……私と…」

○(回想)昨日のカフェ心貴呂の前(夜)
理也「新谷と付き合いたいと思ってる」
(回想終了)

○二階の心の部屋(朝)
心「パパ……。辺寺のお父さんに言ってたの…。それで……」

○(回想)昨日のカフェ心貴呂の前(夜)
理也の父「俺はお前に継いで欲しい。その想いは変わってはいない。だが、お前が心が理由でこの店を辞めたくないと言うのなら…私はお前を辞めさせる事は出来ない」
理也「親父……」
理也の父「心を悲しませるような事をしたら、嫌でもこの店を辞めさせて、継がすからな」
理也「はい!」
(回想終了)

○二階の心の部屋(朝)
心「辺寺は店を辞めなくて良いんだって……。嬉しい……。本当に……。だけど……私と付き合いたいって事は、辺寺は……初くんと別れるって事でしょ? 私のせいでまた……」
コン、コンと心の部屋のドアを二回ノックする音が聞こえる。
心「朝早くに…誰だろう?」
心(まだ朝の六時過ぎだよ?)
心はベットから立ち上がると、ドアの内側の鍵を解除して、ドアを開ける。
初「おはよう。心ちゃん」
初が笑顔で立っている。
心「おはよう……。初くん……」
初「昨日言ってたデート。今から行こう!」
心「今から?」

○自然広場(朝)
初「ここ」
心「すごい……」
辺り一面草、所々に大木や、タンポポなどの花が咲いている。
心「都会にこんな自然がいっぱいな所があったんだね……」
初「私も見つけた時は驚いたよ。行こう」
初が左手を心に差し出す。
心「うん!」
心は初の左手を右手で掴み、二人は一緒に歩き始める。
初「ここにしよう」
初が突然立ち止まり、心も立ち止まる。
初「左手出して」
心「左手?」
心が左手を出すと、初の右手が心の左手を掴む。
初「座ろう」
心「うん……」
心は戸惑いながら、初と両手を掴んだまま、その場に心と初が座る。
初「心ちゃん…。私は理也が大好きだから、理也の恋人になった……」
心「うん…。知ってるよ……」
初「理也は………私を助けたかったから、私の恋人になった……」
心「初くんを…助けたかった?」
初「そうだよ。前に話したよね。理也は中一の時に幼なじみを自殺で亡くしてるって……」
心「まさか……」
初「うん。高二の時に私は自殺しようとしたんだ……。理也を好きになって…告白したいのに…告白した後にまた傷つくのが怖くて……一人で悩んで……。死のうと思った……」
心が涙を流す。
初「その時にたまたま理也が家に遊びに来て…私を…止めてくれた……。理也……すごく泣いてた……。
そして、理也に打ち明けたんだ…。理也が大好きだって。理也はじゃあ、付き合おうって…言ってくれた。それを聞いて私…嬉しかった……。本当に…嬉しかった……。
でも、その後…あの話を聞いて……。私と付き合ったのは、幼なじみを……助けたかったからなんだって…分かったんだ……」
心は泣き続けている。
初「分かっても…理也と別れたくなくて付き合ってた。こんな私を理解してくれる人も、理也しか居ないと思ってたから……。でも、それは違ってた……。店長や心ちゃんが居た。だから…理也にも言ったけど、別れても私は大丈夫。理也もずっと友達で居てくれるって、言ってくれたし。
理也の想いを受け取って…心ちゃん」
心「でも……」
初「私と理也が別れたのは、自分のせいだとか思ってたら、全然違うから! 私と理也で決めた事だから!! 心ちゃんのお父さんとパパが別れたのも、そうだと思うよ」
心「初くん……」
初「もう泣かないで……」
心は泣き続ける心の両手を引っ張って、胸に抱き寄せると、心を優しく抱き締める。
初「心ちゃん。理也を頼んだよ……」
理也「新谷ー! 新谷ー!!」
初が後ろを見る。
初「やっと来たか……。
心ちゃん。理也が迎えに来たよ…」
心は初と離れると、理也を見て、目が合う。
初「心ちゃん。行っておいで……」
初が心に微笑みかける。
心「うん!」
心は大きく頷くと、立ち上がり、走り出す。
理也「泣いたのか? もしかして、初にフラれたのか? 初が好きなのか?」
心は理也の所まで走ってくると、思いっきり理也を抱き締める。
心「辺寺が好き! 辺寺が大好き!! 辺寺と付き合う!!!」
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