ことほぎのきみへ
続いて現れた優に私は目を丸くする
学校はふたりとも休みだけど
花菜は習い事
優は友達と遊ぶ約束をしてたはず……
「花菜がどうしても行きたいってごねるから
父さんが今回は特別だって」
「……優は?」
「ちょうど俺も、遊ぶの無しになったから」
「そ、そう…」
……お父さんが許可したならいいか
優も嫌々ついてきたわけじゃなさそうだし
「……いろはの兄妹?」
「あ、はい
妹の花菜と弟の優です」
視線を戻したひさとさんが
不思議そうな声で聞いてくる
「こんにちは」
「……こんにちは」
紹介すればぺこりと頭を下げる優
優に習って花菜も頭を下げるけど
人見知りが発動して
慌てて私の後ろに隠れた
さっきまであんなに元気がよかったのに
「ごめんなさい。花菜、人見知り激しくて」
「いいよ」
「俺はひさと。よろしく」
花菜に合わせて屈んだひさとさんは
ポケットの中から何かを取り出して
それを花菜に差し出した
それは小袋に入ったいちご味のチョコレート
「!いちごだ~っ!
ありがとうっ」
大好きないちごの味のお菓子をもらって
花菜はおおはしゃぎ
きらきらと目を輝かせてお菓子を受けとると
さっきまでの態度が嘘のように
はつらつとした声で
ひさとさんにお礼を言って、にこにこ笑う
そんな花菜にひさとさんは小さく笑いながら
「はい。きみも」
「あ、ありがとうございます」
花菜に渡したものと、同じものを優にも渡す
「……いろは姉
俺、一樹君に会いに行きたいんだ
だから少しの間だけ
花菜のこと見てて欲しいんだけど……」
ひさとさんから私に視線を戻した優は
言い辛そうに切り出した
学校はふたりとも休みだけど
花菜は習い事
優は友達と遊ぶ約束をしてたはず……
「花菜がどうしても行きたいってごねるから
父さんが今回は特別だって」
「……優は?」
「ちょうど俺も、遊ぶの無しになったから」
「そ、そう…」
……お父さんが許可したならいいか
優も嫌々ついてきたわけじゃなさそうだし
「……いろはの兄妹?」
「あ、はい
妹の花菜と弟の優です」
視線を戻したひさとさんが
不思議そうな声で聞いてくる
「こんにちは」
「……こんにちは」
紹介すればぺこりと頭を下げる優
優に習って花菜も頭を下げるけど
人見知りが発動して
慌てて私の後ろに隠れた
さっきまであんなに元気がよかったのに
「ごめんなさい。花菜、人見知り激しくて」
「いいよ」
「俺はひさと。よろしく」
花菜に合わせて屈んだひさとさんは
ポケットの中から何かを取り出して
それを花菜に差し出した
それは小袋に入ったいちご味のチョコレート
「!いちごだ~っ!
ありがとうっ」
大好きないちごの味のお菓子をもらって
花菜はおおはしゃぎ
きらきらと目を輝かせてお菓子を受けとると
さっきまでの態度が嘘のように
はつらつとした声で
ひさとさんにお礼を言って、にこにこ笑う
そんな花菜にひさとさんは小さく笑いながら
「はい。きみも」
「あ、ありがとうございます」
花菜に渡したものと、同じものを優にも渡す
「……いろは姉
俺、一樹君に会いに行きたいんだ
だから少しの間だけ
花菜のこと見てて欲しいんだけど……」
ひさとさんから私に視線を戻した優は
言い辛そうに切り出した