私のかみさま
「……私、いつから榊が見えなくなった?」


ごしごしと涙を拭って、そっと榊から離れて

榊を見上げる


「社を直し終える少し前くらいから
見えなくなってたな」

「今は?どうして?」

「……お前が、あまりにも泣くものだから
俺を探して、昼夜関係なく走り回るものだから
堪えきれずに出てきてしまった」


根負けしたと、榊は苦笑い


「姿を見せてやれと
せっつかれたのもあるな」

「……誰に?」

「俺の旧友に
正確には、旧友の使いに」



「お前も夢で会っただろ?」



……夢?



問いかけられて浮かんだのは



『手助けをしてあげる』



小さな子供のようなあの声




「……あの、声?」



ぽつりと呟けば、榊は笑う



「お前と俺を、再び引き合わせたのはそいつだ」
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