私のかみさま
「あいつは一正に恩があるからな
それを返したつもりなんだろ
まあ、ただのお節介かもしれんが…」

「おじいちゃんに?」

「一正は、俺に限らず
色々なものが「視える」やつだったからな」



榊がおじいちゃんにしたように

おじいちゃんも
困っていたそのひとを
助けた事があったみたいで

今はもういない
おじいちゃんの代わりに

そのひとは、私を助けてくれた



…あの声の主とは、あれ以来
夢で会うことはなくなったけど…



『君を死なせたくないと
思っている相手がいるってことだよ』



……今度、もし会えたら



お礼を言おう




『気付いて。すぐ傍にいる』




途切れかけていた縁を、再び結んでくれたひと
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