私のかみさま
「…榊、普通に姿を見せられるの?」


……見えなくなったはずなのに
今はしっかりと榊の姿を認識できる


「制限つきだな
頻繁にできるものじゃない」


「俺の力は、もうそこまで強くない」


「言っただろ?俺の力にも限界があるって」




「…………また、見えなくなる?」

「そうだな」



すんなり頷く榊に、私はまた泣きそうになる

それを阻止するかのように

榊は困ったように笑いながら

また、私の頭を撫でる



「お前には、もう俺は必要ない
自分で選んで、決めて、進んでる」



「大丈夫だ」



「……私、榊に何も返してない」



たくさんもらったのに


ようやく思い出したのに



なにひとつ、返せない



伝えたいことも、聞きたいことも


もっとたくさんあるのに


うまく言葉にできない



……ああ…



おじいちゃんも、こんな気持ちだったのかな
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