溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~
彼の胸に寄り添ってまどろんでいると、インターホンが鳴った。
「どうせ広海だろ。放っておこう」
昨夜から何度も求め合った私たちは裸のまま。慌てて跳ね起きたものの、彼はいたって冷静だ。
「でも広海さん、意外と根に持つタイプだから……」
鎌倉でメッセージを無視したときのように、ネチネチと嫌味を言われたくない。
「仕方ないな……」
彼はぼやきながら私の額に短いキスを落とすと、ベッドから起き上がる。そして手早く着替えを済ませ、寝室から出て行った。
さりげない甘さを見せる彼に、ときめきが止まらない。好きだと自覚したときよりも、彼に対する思いがさらに大きく膨れ上がっていることに気がついた。
けれど今は心を躍らせている場合じゃない。
広海さんがこの寝室にふらりと入ってくる可能性は低いけれど、万が一ということもある。
昨日彼に脱がされた服を手繰り寄せると、急いで着替える。するとドアの向こう側から、ふたりの声が聞こえてきた。
「あれ? アイツは?」
「広海。菜々子のことをアンタとかアイツとか呼ぶのは止めろ」
私の呼び方なんかどうでもいいのに、広海さんを冷静に諭す真面目な専務がおもしろくて、思わずクスッと笑ってしまう。
「そんなの俺の自由だろ……って……。今、アイツのこと『菜々子』って呼んだよな?」
「ああ」