わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
「俺は…俺は…美湖ちゃんが好きだった。」

絞り出すような声で先輩は言う。
そして、堰を切ったように言葉を連ねはじめた。

「高校の時、美湖ちゃんが入部してきたときに衝撃が走った。なんてかわいい娘なんだろうって。それからずっと好きで…好きで…
けど、その娘はいつも一緒にいる幼馴染っていわれてるやつのことが好きなんだってわかってた。
それでもよかったんだ。見てるだけで。けど、俺が3年の最後の夏。その男にエースナンバーを奪われた。
めちゃくちゃ腹立った。なんでなんだって。わかってたよ。実力だって。けど、ムカつくんだ。
それで、コイツと共謀して、だました。そいつにエースナンバーだけじゃなく美湖ちゃんまで持っていかれるのは許せなかった。好きな女が他の男にとられる気持ちを思い知れって思った。
けど、美湖ちゃんは絶対に俺のものにはならないってこともわかってた。きっとずっと水嶋を想い続けてるってことも。だからつらかった。美湖ちゃんが笑顔にならないのが。それで、大学に入って、もう美湖ちゃんには会いにいかなくなった。」

先輩は一度言葉を切ると、わたしを見た。
死んだ魚のような目がちょっと生き返ってる気がする。

「もうあれからかなりの月日が流れてて、ほとんど忘れかけてると思ってた。そしたら見たんだよ。美湖ちゃんと水嶋が楽しそうに街を歩いてるのを…。
その前に水嶋がうちの取引先のマルシンフーズにいることはわかってたし、水嶋が幸せそうなのがムカついた。だから、美湖ちゃんをまた奪ってやろうって思った。半ば強引に。そしたらまたアイツを地の底に落としてやれるって。」

先輩の目はわたしを見てはいない。
それは、はるか向こうの方を向いている。
メラメラとした怒りを奥に秘めた目。
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