わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
「美湖。まあ…がんばりな。」

理沙子の言葉にふと我に帰る。

「うん。がんばる…わ。」

理沙子はわたしの肩をポンポンとたたいて親指を立てた。


社内に戻りトイレに入ろうと入口のところに差し掛かるとヒソヒソ話が聞こえる。

「なんで花村さんなの?」

「あれ、絶対わざとじゃん?」

「わたし、仕事押し付けられてるんですぅ~的アピール?」

「あんな何も知らないような顔してさぁ。あざといよね~。水嶋くん騙されてるんだよ。きっと。」

「やだやだぁ~。」

きゃはきゃは笑い声…

わたしはそっとトイレを離れ、1つ下のフロアのトイレへ行くしかない…。

やっぱり言われるよね。

理沙子の言ってたことが現実味…帯びてる…
はぁ~。


その後デスクに戻ると、直行先から悠と加賀さんが戻ってきていた。

わたしは悠の方は見ずにデスクに座り、仕事に取り掛かる。

いくら布施さんの分をちゃんと分散したからと言って、仕事がいつもより多いことに変わりはない。
早く片付けないと、また遅くなってしまう。

一心不乱に伝票を片付けてたら悠が知らないうちに目の前に立っていた。

「これ、あさのフーズの入金。今回手形にされたけど、大丈夫だった?」

「あー。はい。」

みんなが一瞬静かになった。
仕事をしてるフリしてこちらを伺ってる。

けれど、悠は特に気にしてるふうでもなく、手形を渡すと、さっさと席に戻り仕事を再開し始めた。

うーん。
悠。なんか口調がですます調からフレンドリーに変わってるよね…。

悠が去ると女子たちは互いに目配せをしていた。

う~ん…。
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