ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~
すると、美奈が疑問に思っているのを察してジモンが説明してくれる。


「この方々はなーー」


この国ドルムンド王国の国王軍には、竜に乗って空中戦をくり開げる竜騎士団という精鋭部隊があるそうだ。

国の北側は天まで届きそうなほどに高くそびえる山脈で、隣国との国境になっているのだが、百年も前からしばしば山を越えた侵攻を受けて戦闘となっているらしい。

竜騎士団はいわば、国境警備隊だ。


言われて気づいたが、ライアスたちはオリーブ色で立襟の軍人風の衣服を着ている。

この店の中で揃いの衣装を身につけているのは、彼らだけのようだ。


そこまでのジモンの説明に、エルネが補足してくれる。

この街バルバストルは国の南に位置し、好戦的な隣国とは距離が離れているため平和である。

けれども重要な貿易港を持ち、様々な国からの旅人や商人を受け入れる窓口となっているため、怪しい船が紛れて近づいていないか竜騎士団は常に監視しているそうだ。

ライアスたち三人は今、その任務に当たっている。

王都から竜に乗って飛んできて、空中から海洋の警備をし、見張りの交替の者が来れば王都まで飛んで帰る。

王都までは馬で三日もかかる遠い道のりなのだが、竜を飛ばせばわずか三十分で着くというので、美奈はそのスピードに驚かされた。

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