【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「決まった?」

 クレアが注文を取りに来て、私はベーコンと卵ののったシンプルなガレットとカプチーノを注文する。

「今日はジュリアンとポーリンはいないのね?」
「ふたりは課外授業なの」
「そうなのね。せっかくの日曜日なのに。ゆっくりしてって」

 クレアは注文を厨房に伝えにテーブルを離れた。

 そうだ。ポストカードを投函しなくちゃ。

 すっかり忘れていた。

 ジャケットのポケットに手を入れたが、触れたのはハンカチだけだった。

「えっ!?」

 思わず声が出る。

 反対のポケットにはティッシュしかない。

 どこで落としちゃったんだろう……。

「はぁ~」

 私の口から重いため息が漏れ、ショックでうなだれたところで、クレアが大きなカップになみなみと入ったカプチーノを持ってきてくれた。

「ガレットもすぐできるわ。あら、浮かない顔をして、どうしたの?」
「友人宛のポストカードを落としちゃって……」
「それは残念ね」

 温かいカプチーノをひと口飲むと、甘さのせいか気持ちが和らいで、ポジティブな気持ちになる。


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