【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 翌日、私は隣でまだ眠っている柊吾さんをベッドに残して、そっと起き上がった。

 いつもなら私が動けばすぐに目覚めてしまうのに、そうならないということは疲れているのだろう。

 まだ七時を回ったばかりだ。リビングへ行き、お湯を沸かして紅茶を淹れる。

 窓の外を見ると、スペイン広場の階段が目に入った。

 本当にすぐ近くなんだ。

 ソファに座り、紅茶を飲みながらガイドブックをめくる。

 フライトは十七時過ぎだから、それまであちこち巡りたいな。

 昨日入れなかったフォロロマーノにも行きたいし、〝真実の口〟も観てみたい。ボルゲーゼ公園にある美術館にも行きたい。時間が足りるかな。

「心春?」

 ハッとして、ガイドブックから顔を上げると、柊吾さんがすぐ近くに立っていて、私の隣に腰を下ろした。

「早起きだな」
「少し前に起きたばっかりよ。柊吾さん、疲れていない?」
「もちろん。着替えて朝食を食べて出かけよう」

 柊吾さんは私の肩を抱き寄せてキスをしてから立ち上がった。


 二日目のローマ散策もたっぷり楽しめ、私たちは夕方のフライトでパリに戻ってきた。

 そして月曜日の朝、仕事に出かける柊吾さんを送り出してから、私も語学学校へ向かった。

 遊びすぎて疲れているけれど、私の心は幸せで満たされていた。

 ううん。幸せが沸き水のように溢れ出ている感じだ。

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