【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 ほどなくしてガレットも運ばれてきて、柊吾さんが綺麗なナイフとフォーク使いで切り分ける。

「はい」

 フォークの上にのったガレットを私の口元へ持ってくる。

 こういったことも少し慣れてきているから、口を大きく開けてパクッとそれを食べる。

「美味しいよ。柊吾さんも熱いうちに食べて」

 こんな時間が楽しくて、好きな学校へさえも行きたくなくなってくる。

 お皿がすっかり綺麗になったので、帰り支度を始める。

 ダウンジャケットを着た私の首に、柊吾さんがマフラーを巻いてくれた。

「大丈夫なのに……」
「行こう」

 柊吾さんは私の頭を、手のひらでポンポンとふんわり二回撫でた。

 会計を済ませた私たちはカフェを出て、再び冷たい風にさらされる。

 だけど手を繋いでいれば暖かく感じられた。

 街路樹に頑張ってくっついていた枯葉が風で揺れて、ひらひらと私の頭にのった。

「心春にお客さまだ」

 柊吾さんは笑いながら立ち止まり、それを取る。

 彼の言葉がかわいくて、私はフフッと笑って落ち葉を受け取った。

「柊吾さん」

 私は背の高い彼を仰ぎ見て、柊吾さんの両手を握る。柊吾さんは首を微かに傾けて私を見つめた。

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