【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「……ん。お弁当屋さんののり弁が食べたいな。明日から仕事が大変だし、買ってお部屋でゆっくり食べよう?」
「のり弁か。懐かしいな。それでいいよ」
「どこにあるか、今検索するね」

 私はスマホをバッグから取り出して、マンション近辺のお弁当屋を探した。

「あった!」
「心春、ナビに住所を入力して」
「はい」

 私は慣れないナビをいじって、お弁当屋の住所を入れた。


 無事にお弁当を買い、タワーマンションの部屋に戻ってきた。

 キッチン道具は不自由しないくらいに一式揃っている。

 最新式のウォーターサーバーもあり、キッチンでお茶を淹れると、ダイニングテーブルでお弁当の包みを広げている柊吾さんのもとへ持っていく。

 イスに座り、私たちは「いただきます」と両手を合わせて食べ始める。

 柊吾さんのお弁当は大盛り。

 久しぶりに食べるのり弁はとても美味しく感じる。

「……柊吾さん、私がいるのに、ハウスキーパーはいらないと思うの。私、主婦だし、ちゃんと家庭のことをやらなきゃ」
「心春、君はこれからなにをしたい? 夢を諦めることはないんだよ」

 私の夢はフランス語を流暢に話せるようになって、美術の眼識を養い、お父さんの仕事を手伝うことだ。

 フランス語は柊吾さんに普段話してもらって、勉強すれば上達するだろう。

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