【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 果肉の入った美味しそうなフルーツジュースと、前菜のチーズと生ハムが運ばれてきた。ここはチーズのお店で、一番のメインがチーズフォンデュ。

「でもさ~あんなに悩んでいたのに、結局は寂しくて死んじゃうって、どうなのよー。羨ましすぎる。私にもあんな旦那さまがほしい。心春にあやかりたい」

 真悠がニヤニヤしながら私をからかいつつも本音を言うと、裕美も大きく頷く。

 ゴルゴンゾーラチーズと蜂蜜をのせて食べるピザやフライドポテトもテーブルに並ぶ。

 恋バナも好きだけど、食欲もある三人はがっつり口に入れている。

「それで、心春。これからなにするの? 専業主婦?」

 フルーツジュースをおかわりしたところで裕美が聞く。

「大学へ行こうか迷ってる」

 そのことを彼女たちに相談しようと思っていたところだ。

「行けばいいじゃん。まだ若いんだし、専業主婦も羨ましいけど、時間はたっぷりあるんだし勉強すればいいよ」

 真悠の言葉に裕美も大きく頷く。

「だよね。家にいてもつまらないし、お父さんの仕事を手伝うにはまだまだだし……」
「まあセレブ妻なんだから、エステにネイルにのーんびり生活もできると思うけど、それじゃあ、好奇心旺盛の心春は退屈だもんね」

 私のことを一番よくわかっているのはこのふたりだ。ふたりとはどんな恥ずかしいことも話せる関係だった。

 

< 187 / 250 >

この作品をシェア

pagetop