【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 月曜日は柊吾さんが仕事に出掛けたあと、ハウスキーパーの女性がやってきた。

 今日から月・水・金曜の午前中だけ来てもらうことになった山下(やました)さんだ。

 ベテランの彼女は五十代で、三人の大学生の子供がいる。ふくよかな体系はドラマに出てくる日本のお母さんみたいで、会ってすぐに親しみが湧いた。

 山下さんにはお掃除と食材の買い物を頼む。それと、二品くらいの煮物や副菜を。すべて作ってもらうと、私の料理が上達しないからだ。

 山下さんにお掃除を任せて、私は自分の部屋へ行く。

 八畳ほどのその部屋は白いデスクと本棚があるだけ。

 デスクに着き、パソコンを開いて電源を入れる。立ち上がると、メールが届いていた。

「梨沙からだ」

 嬉しくて顔をほころばせながら読み進めているうち、落胆していく。

 クリスマス休暇は、オーリィ氏が仕事関係の友人にイギリスへ招待されたため、家族で行くことになったそうだ。日本へは来年行くからね、と。

「そっか……残念……」

 独り言ちて、大きなため息が漏れる。

 でも一生会えないわけじゃないし。来年を楽しみにしておこう。

 梨沙に返事を送り、パソコンを閉じた。


 柊吾さんは二十一時過ぎに帰宅した。

 私が作った大根おろしと大葉の和風ハンバーグと、山下さんお手製のきんぴらとマカロニサラダがテーブルに並んだ。

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