【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「クリスマスイブはなにをしたい? なんでも言って」
「イブは……金曜日だよ? 柊吾さん、お仕事あるし……私がお料理作って待っていてもいい?」
「心春が大丈夫なら。本当にそれでいいのかい?」
「はいっ」

 私はさっそく、ふたりの初めてのクリスマスになにを作ろうかなと考え、楽しみで顔をほころばせた。


 翌日、勉強の合間にクリスマスメニューをネットで検索した。

 マウスをクリックしてレシピを見る。

「チキン、チキン……あ! 鶏肉のフリカッセ! これにしよう」

 生クリームを使ったフレンチだ。パリを思い出しながら食べられそう。

 クリスマスケーキはお店で買ってこよう。さすがにケーキを作る自信はないから。

 スマホのメモ帳に夕食に必要な食材を書き出し、私は満足げに微笑んだ。


 金曜日当日、朝からやってきた山下さんに食材の買い出しをお願いして、私は銀座のデパートへ向かった。

 柊吾さんのプレゼントを購入してから、大混雑しているデパ地下で好きなパティスリーのホールケーキを三十分ほど並びなんとか買って、急ぎ足で戻る。

 自宅に戻ったのは十四時近くで、午前中契約の山下さんはすでにいなかったけれど、メモがあり、冷蔵庫にお願いした食材が入っていた。

 柊吾さんの帰宅予定は十九時。

< 192 / 250 >

この作品をシェア

pagetop