【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「心春さん、大学受験するそうね」
「はい。柊吾さんが勧めてくださったので……」
「柊吾さんはあなたに気を使ったのね。だけど、主人もあんな状態ですし、柊吾さんも三十一よ。子供がいてもいいくらいだわ。心春さん、子供を産んでから大学なり好きなことをすればいいと思うの」

 私は驚いて言葉を失う。

 子供を産んでから好きなことをすればいい……?

「心春さんは八神家の一員なのだから、嫁としての務めを私たちは期待しているのよ」
「子供を早く生んで……ほしい……と、おっしゃって――」
「勘違いしないでほしいの。心春さんは素敵な娘さんで、八神に嫁いでくれて本当に嬉しいの。だから早くふたりの子供が見たいの」

 お義母さまの言い分はもっともだと思う。私は嫁としての立場を考えていなかった。

 お義父さまも病気をされて、早く柊吾さんの子供を見たいと思っているのは理解できる。

「心春さんと柊吾さんの子供はとてもかわいいと思うわ。年子でふたり生んでも四年以内には自由になるわ。子供は使用人に見てもらえばいいのだし。ね、考えてみてね」
「……わかりました。お義母さま、考えてみます」
「お話ができてよかったわ。お紅茶のおかわりはいかが?」

 お義母さまは家政婦さんをもう一度呼んで新しいカップを持ってこさせると、熱い紅茶を淹れた。

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