【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 一緒にケーキを食べていると、ほどなくして柊吾さんが戻ってきた。

「父さんは眠った。俺たちもそろそろ帰ろう」
「はい」

 正巳さんは出ていったきりだったけど、できれば会いたくないからホッとしている。

 私はソファから立ち上がって、柊吾さんのもとへ近づいた。


 マンションに戻ったのは十五時を過ぎたところ。

「心春、表情が暗いな。母になにか言われたのか?」
「ううん。少し疲れただけだよ」
「本当に?」

 柊吾さんは疑わしい瞳で私を見つめる。

「うん。柊吾さんって、すごい環境で育ったんだね。執事までいるなんてびっくりした」

 おどけて言う私に柊吾さんの手が両頬を囲む。

「ああ。不自由はさせないから、心春は気にせずに好きなことをすればいい」

 その言葉は、お義母さまとの会話を聞いたのかと思うほどだった。

「好きなことをさせてもらってるよ」

 柊吾さんは額にキスを落として笑みを浮かべる。

「少し仕事をするから書斎にいる。夕食は外で食べよう。なにがいい?」

 私は首を左右に振る。

「お昼もたくさん食べちゃったし、ケーキまで。そのうえ、レストランで美味しいものを食べたら太っちゃう。冷蔵庫にたくさん食料が入っているから作ってもいい?」

「太った心春もかわいいと思うが」

 私の頬を柊吾さんは軽く摘まむ。

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