【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
《また来年受ければいい。今回は時間がなかったんだ。残念だったな……だけど、心春。俺に謝らなくていいんだ。ショックなのは君なんだから》
「……ん」
《今日は早く帰るよ》
わざと落ちたのに、それを柊吾さんには言えないことに罪悪感があって、電話を切ったあと、涙が頬を伝った。
いろいろな思いに押しつぶされそうになっている。
ソファの上で膝を抱えてこらえようとしてもなかなか止まらなかった。
その週の金曜日の午後、家にいると柊吾さんから電話がかかってきた。
「柊吾さん、どうしたの?」
《書類を忘れた――》
「それなら私が持っていくわ!」
柊吾さんの役に立てると思い、柊吾さんの言葉を遮り、張り切って言った。
《いや、ありがとう。でもいいんだ。書類は心春にはわからない。辻野さんを向かわせたから』
辻野さんが……。
私の悩みの種の人だ。
《心春? 聞いている?》
「あ、う、うん。わかった」
私の動揺に気づかず柊吾さんは《じゃあ》と言って通話を切った。
それから三十分後、玄関のチャイムが鳴った。普通ならばエントランスからのアプローチなのに。ということは、柊吾さんは鍵を辻野さんに渡したのだ。
玄関のドアを開けた先にアイスブルーのコートを着た辻野さんが立っていた。
「……ん」
《今日は早く帰るよ》
わざと落ちたのに、それを柊吾さんには言えないことに罪悪感があって、電話を切ったあと、涙が頬を伝った。
いろいろな思いに押しつぶされそうになっている。
ソファの上で膝を抱えてこらえようとしてもなかなか止まらなかった。
その週の金曜日の午後、家にいると柊吾さんから電話がかかってきた。
「柊吾さん、どうしたの?」
《書類を忘れた――》
「それなら私が持っていくわ!」
柊吾さんの役に立てると思い、柊吾さんの言葉を遮り、張り切って言った。
《いや、ありがとう。でもいいんだ。書類は心春にはわからない。辻野さんを向かわせたから』
辻野さんが……。
私の悩みの種の人だ。
《心春? 聞いている?》
「あ、う、うん。わかった」
私の動揺に気づかず柊吾さんは《じゃあ》と言って通話を切った。
それから三十分後、玄関のチャイムが鳴った。普通ならばエントランスからのアプローチなのに。ということは、柊吾さんは鍵を辻野さんに渡したのだ。
玄関のドアを開けた先にアイスブルーのコートを着た辻野さんが立っていた。