【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
しばらくぶりだけど、記憶にある通りに綺麗な女性だ。大きな黒いバッグを肩から提げている姿は有能なキャリアウーマンだ。
私とは正反対の人……。
「奥さま、ご無沙汰をしております」
小さく口元を緩ませた辻野さんは丁寧にお辞儀をした。
手を身体の前に置いたとき、彼女の左手の薬指にプラチナのマリッジリングが見えた。
この前は気づかなかった。正巳さんが言っていた不倫相手というのはやはり辻野さんなんだ。
「……こんにちは。どうぞ上がってください」
「失礼します」
この家を手配したのが辻野さんだから、彼女は迷うことなく書斎へ向かった。
その姿にズキッと胸が痛んだ。
彼女のためにキッチンでお茶を淹れていると、少しして私の前に姿を見せる。
「辻野さん、お茶をどうぞ」
トレイを持ち、ソファのほうへ運ぼうと歩を進める。
「ありがとうございます。急いでおりますので、これで失礼いたします」
たしかに電話の柊吾さんは急いでいるようだった。
「……はい。ご苦労さまでした」
私はトレイをもとの位置に置いて形ばかりのねぎらいの声をかけた。辻野さんは軽く頭を下げてから玄関へ向かう。
その瞬間、私は衝動的に、彼女の背中に向かって呼び止めた。
「辻野さんっ!」
愛人かもしれない人に直接聞くなんてどうかしている。でも、声をかけらずにはいられなかった。
私とは正反対の人……。
「奥さま、ご無沙汰をしております」
小さく口元を緩ませた辻野さんは丁寧にお辞儀をした。
手を身体の前に置いたとき、彼女の左手の薬指にプラチナのマリッジリングが見えた。
この前は気づかなかった。正巳さんが言っていた不倫相手というのはやはり辻野さんなんだ。
「……こんにちは。どうぞ上がってください」
「失礼します」
この家を手配したのが辻野さんだから、彼女は迷うことなく書斎へ向かった。
その姿にズキッと胸が痛んだ。
彼女のためにキッチンでお茶を淹れていると、少しして私の前に姿を見せる。
「辻野さん、お茶をどうぞ」
トレイを持ち、ソファのほうへ運ぼうと歩を進める。
「ありがとうございます。急いでおりますので、これで失礼いたします」
たしかに電話の柊吾さんは急いでいるようだった。
「……はい。ご苦労さまでした」
私はトレイをもとの位置に置いて形ばかりのねぎらいの声をかけた。辻野さんは軽く頭を下げてから玄関へ向かう。
その瞬間、私は衝動的に、彼女の背中に向かって呼び止めた。
「辻野さんっ!」
愛人かもしれない人に直接聞くなんてどうかしている。でも、声をかけらずにはいられなかった。