【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
辻野さんは玄関でパンプスに足を入れたところだった。彼女は私の顔を不思議そうにじっと見つめる。
「奥さま、どうかいたしましたか?」
「聞きたいことが」
口の中がカラカラに乾いていく。心臓も不規則に打ち、冷や汗が出てくる。
「はい。私でわかることであれば」
緊張の極限にまで達している私と反対に、辻野さんは涼し気な顔で首を微かに傾げた。
「あなたは夫……柊吾さんと愛し合っているんですか?」
もしそうだったら……なんて、なにも考えていなかった。そう聞いてしまってから、『はい』と答えられたら、私は柊吾さんと別れようととっさに思った。
一瞬、辻野さんはキリッとした目を大きくさせてから、ふっと息をつく。
「なにか勘違いなさっているんですね」
同情の目を向けられて、私は困惑した。
勘違い……? 辻野さんははぐらかすの……?
「奥さま、社長が愛しているのは奥さまです。私とはなんでもありません」
「なんでもない……? でも、柊吾さんが電話で『愛し合っているじゃないか』と言っているのを聞いてしまったんです。正……知っている人からも、あなたと柊吾さんはパリにいるときから愛し合っていると。本当のことを言ってください。私は柊吾さんに幸せになってほしいんです」
涙を流さないように下唇を噛む私の手が、ふいに両手で包み込まれる。
「奥さま、どうかいたしましたか?」
「聞きたいことが」
口の中がカラカラに乾いていく。心臓も不規則に打ち、冷や汗が出てくる。
「はい。私でわかることであれば」
緊張の極限にまで達している私と反対に、辻野さんは涼し気な顔で首を微かに傾げた。
「あなたは夫……柊吾さんと愛し合っているんですか?」
もしそうだったら……なんて、なにも考えていなかった。そう聞いてしまってから、『はい』と答えられたら、私は柊吾さんと別れようととっさに思った。
一瞬、辻野さんはキリッとした目を大きくさせてから、ふっと息をつく。
「なにか勘違いなさっているんですね」
同情の目を向けられて、私は困惑した。
勘違い……? 辻野さんははぐらかすの……?
「奥さま、社長が愛しているのは奥さまです。私とはなんでもありません」
「なんでもない……? でも、柊吾さんが電話で『愛し合っているじゃないか』と言っているのを聞いてしまったんです。正……知っている人からも、あなたと柊吾さんはパリにいるときから愛し合っていると。本当のことを言ってください。私は柊吾さんに幸せになってほしいんです」
涙を流さないように下唇を噛む私の手が、ふいに両手で包み込まれる。