【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「かわいそうに。悩まれていたんですね。社長と私の間に、恋愛感情はまったくありません。私は夫のことを愛していますから」

 私の頭の中が真っ白になる。

 柊吾さんととはなんでもない……? 信じられるの?

「あの電話は覚えています。クリスマスの夜ですよね? どうしようもなくて、夫に愛されないと相談してしまったんです。その言葉だけでは勘違いなさるのも無理はないです。私と夫、社長は大学時代からの友人なんです」
「友人……だから柊吾さんを名前で……」

 最後のほうは呟きにしかならず、辻野さんは言葉を続ける。

「はい。社長と夫は親友です。パリで私たち夫婦は社長の補佐をしていました。現在も第一秘書は夫です。安心してください。社長は清廉(せいれん)潔白です。浮気なんてしません。かわいい奥さま一筋なんですから」

 私を説得するように包み込まれていた手が握られた。

「……私は……お門違いな嫉妬をしていたんですね……恥ずかしいし、柊吾さんに申し訳ない……」
「私がいけなかったんです。無神経な電話をしてしまいました。誤解をさせてしまって申し訳ありませんでした」

 辻野さんは優しい微笑みを浮かべた。


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