拾ったワンコが王子を連れて来た
挨拶を済ませると、ゼネラルマネージャーから座る様に言われ、私達はゼネラルマネージャーと総帥の奥様の座る前に、並んで座った。
やばい…
吐きそう…
ゼネラルマネージャーから、どんな話をされるのか、何を宣告されるのか、なにも解らなくて緊張で今にも吐きそうだ。
私達が座ると、直ぐにゼネラルマネージャーは、話し出した。
「お袋を除いて忙しい者ばかりだ、早速本題に入ろうか?」
本題…?
そりゃーそうだよね?
ただ私達の顔を見たいが為だけに、私達を呼んだ訳じゃないだろうし?
「その前にだ…いい加減その手離したらどうだ? 稀一郎?」とゼネラルマネージャーは繋いでいる私達の手を指摘した。
稀一郎…?
ゼネラルマネージャーと生田さんの仲が、大学時代からの友人だと言う事は、生田さんから聞いてる。でも、今までお二人が一緒にいる時でも、生田さんを稀一郎と呼んでるところは見た事ないし、呼んでいたと言う噂も聞いた事はない。
それに、ゼネラルマネージャーに言われるまでもなく、私はずっと手は離そうとしている。
でも、生田さんが離してくれないのだ。
ゼネラルマネージャーの問いかけ、いや、言いつけに、生田さんはあろうことか「羨ましいだろ?」と言い放ったのだ。
嘘でしょ…
それに対してゼネラルマネージャーは「うるせぇー」と言った。
えっ?
「兎に角、手を離せ!
うちの会社は社内恋愛禁止だ!
お前が会社の規定を知らないわけ無いだろ?」
「勿論、知ってる。
柊真が部下に惚れて手を出した事もな?」
ちょ、ちょっと、いくら大学時代からの友人でも、ゼネラルマネージャーにそんな口の利き方しても良いの?
ってか、えっ⁉︎
ゼネラルマネージャーが、部下に手を出した…?
嘘っ…
その話、私が聞いちゃダメだったんじゃないの…
「あの…」
「あーすまないね?
君の気持ちを聞くのが先だったよね?」
私の気持ち…?
「稀一郎と一緒に住んでるらしいね?」
生田さんと住んでると言うより、生田さんがウチに住んでるわけで…
えっ!ゼネラルマネージャーは知ってるの…?
やっぱり…
ここは呼ばれたのは…そう言うことなんだ?
やだ!
今の仕事失いたく無い!
「あの違うんです!
私は生田さんとお付き合いしてませんし、今後もそのつもりはありません!」
「えっ? そうなの?」
「はい! ですから…私を辞めさせないで下さい!私、SAKURAホテルが好きなんです!
今後も、絶対に生田さんとお付き合いしませんから!」
私はゼネラルマネージャーに懇願し、お二人に頭を下げた。
「て、彼女は言ってるけど、どうする稀一郎?」
ゼネラルマネージャーの問いかけに、生田さんは何を考えているのか、私と付き合うし、結婚もすると宣言したのだ。