拾ったワンコが王子を連れて来た
えっ!?
既に婚姻届の用紙が用意されてるなんて…
それも、証人にはゼネラルマネージャーと総帥の奥様…
「真美…君の気持ちを無視して、結婚してくれと言ってるんじゃ無いんだ。
ただ、僕の本気を知って欲しかったんだ」と言う生田さん。
これがあなたの本気…
「でも、私…」
「うん。だから、僕をもっと知って結婚しても良いと思えたら、サインして欲しい。
それまで、これは君が持っていて欲しい」
生田さん…
「稀一郎、プロポーズするなら、指輪くらい用意しておくもんだぞ?」
「プロポーズも出来なかった男に、言われたくないね!
指輪は、彼女が俺を好きになってくれた時に、改めて贈るつもりだ!」
「生田さん…」
「稀一郎、もし彼女と付き合うという事は、わかってるよな?」
「ああ、今のポジションから外すんだろ?」
「えっ? ちょっと待ってください!
生田さんは、SAKURAホテルに無くてはならない人です!
私達が付き合う事が、会社の規定に背くと言うなら、私を配換して下さい!
ホテル部門じゃ無くても良い。
本社の資料室でも、他所の清掃係への配換でも良いです。だから、生田さんを配置換えなんてしないで下さい!」
「真美…僕と付き合ってくれるのか?」
「私…生田さんと手繋いでるの嫌じゃなかった」
以前、働いて居たホテルの上司にエレベーターの中でセクハラされて、ずっと男の人に触られるのが怖かった。
でも、生田さんには嫌悪感すら感じなかった。
勿論、恥ずかしかったけど…
「でも、まだ結婚に対しての気持ちがどうかは、わからないないけど、生田さんの側には居たいって思う」
生田さんは、それで良いと言って抱きしめてくれた。
「生田さん…お二人の前です」