拾ったワンコが王子を連れて来た

ゼネラルマネージャーに会ってから既に1ヶ月が過ぎたが、私達の関係は特に変わる事も無く、今まで通り生田さんは私の家に住んでる。
変わったと言えば、ワンちゃんの事を “ ワンコロ ” と、私も呼ぶ様になった事。
それと…

ん〜気持ちいい…
この優しい温もりが、私を幸せへと導いてくれる

ずっと、ずっと遠い昔…母に抱かれて眠った…
この温もり…あ〜なんだかホッとする。
幸せ…
などと言っても居らず、瞼を開ければ私を優しく見つめる瞳。

「うふ。 おはよう」

仕事が休みなら、ずっと一緒に眠っていたい。

「わかったって! 起きる! 起きるから、そんなに舐めないでよ?」

いつ入って来てるのか、眼が覚めるといつも私の隣にはワンコロがいる。

「昨日も言ったでしょ? 入って来ちゃダメって!
自分のベットで寝なさい!」

飼い主はどんな教育してたのかしら?

(クゥーン)

でも、甘えた鳴き声とうるうるしたこの瞳に、いつも彼(ワンコロ)を許してしまう。

「もう、あんたってコは可愛いんだから!」

私はフサフサの彼(ワンコロ)に頬ズリをする。

「さぁ、散歩行こう?」

ワンコロが来てから、私の朝は2時間早くなった。1時間の散歩に、散歩後の朝シャン、それと今まで食べていなかった朝食。
そのお陰で、2時間早い起床になってしまったのだ。

ワンコロの散歩が無ければ、まだ夢の中だし、朝シャンもしない。

生田さんが夜勤明けの日は、ワンコロの散歩はしてくれるが、基本朝の散歩は、私のダイエットを兼ねて私がする。
朝はコーヒーだけで済ませていた私だが、今はしっかり朝食を食べる様になってしまった。

特に決めたわけではないが、朝食は生田さんが作ってくれる事なっていて、折角作ってくれた物を食べない訳にもいかず、必ず朝食を食べてる様になったのだ。
そのせいなのか、最近、体重が気になって来ていたのだ。

「ワンコロ、行くよ!」

近くの公園のジョギングコースで、ワンコロとジョギングするのが、最近の私の日課になっている。

「おはようございます」『おはよう!』

そして、何度か顔を合わせ、挨拶する様になった人達と、たまにお話をして情報交換をしている。
情報交換っと言っても、基本ワンちゃんの事が多いが、たまに、何処何処に美味しいお店が出来たとかの情報も貰え、仕事に役立つ事もあって、私にとって一石二鳥…いや、一石三鳥と言ったところだ。

情報交換仲間の中でも、玉越律子さんという人とは、気が合いよく話をするようになった。




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