今世こそは君を守るから、だから俺の傍にいて
「やっほー、鶴乃!お昼食べよ!」


B組に行ってお昼を食べる習慣は気がついたら出来ていた。

馴染めないらしい、鶴乃がほかの女子と。少なくとも、紫苑と幼なじみってことも絡んでいると聞いたことはあるけど。


そう言えば鶴乃は特進……姫さんもいるのか。今まで意識してなかったけれど。姫さん友達とかいっぱいいるのかな。

前世だとほわほわした雰囲気でいっぱい友達がいた。人たらしと言われる人種だったから。

「あっ!紫苑!樹詩くん!!待ってたよ!」


俺たちの姿を確認して、ふんわりと柔らかく微笑む鶴乃は可愛らしい。

大きめの丸メガネにボブカットがトレードマークだ。


「今日は遅かったね。」


机をくっつけて食べ始める。

『ああ、紫苑が馬鹿やってたから。』

「え?僕のせい?」

『そうだぞ。笑われたんだからな。』

「えー、それは樹詩が……」


俺たちが話をして鶴乃が相槌を打つ。

「いいなー。私もふたりと同じクラスが良かった。」

『そうか?毎日うるさいぞ?』

「うん、でも楽しそう。」

「へへっ、鶴乃とたくさんお話したいなぁ。僕も来年は特進来れるように勉強頑張ろうかな!」

「んー、紫苑は頑張るってレベルじゃ足りないよ。死ぬ気でやらなきゃ!」

『鶴乃って案外毒舌だよな。』

ふわり、と鶴乃は笑うのだった。
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