一筆恋々
三通目 夏雲奇峰の候

【八月一日 手鞠より英家への葉書】


暑中お見舞い申し上げます

炎暑厳しき折、みなさまお変わりありませんでしょうか。
早々に軽井沢にご出立だそうですね。
あちらは過ごしやすいことと思いますので、ゆっくりと羽を休めてくださいませ。
道中くれぐれもお気をつけて。


大正九年盛夏
春日井 手鞠
英家御一同様


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