一筆恋々

【八月一日 手鞠より静寂への葉書】


暑中お見舞い申し上げます

麦湯の中で氷が立てる、かろんという音に、夏の風情を感じます。
もうすぐ顔合わせですね。
今から胸の中が落ち着きません。

お会いできるのを楽しみにしています。


大正九年盛夏
春日井 手鞠
久里原 静寂様


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