エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない
『飲み会、今日だろ。終わりの時間が見えたら連絡入れて。迎えに行くから』
そんなメッセージが届いて首を傾げたくなった。
『なんで?』
『なんでも』
女子には誰にでも優しいフェミニンタイプならまだしも、普段の芝浦はそうじゃない。
〝夜道怖いよね〟なんて会話をしていたら〝自意識過剰〟なんて真顔で言ってくるタイプだ。
もちろん口先だけで、本当に遅くなったら送ってくれるくらいの優しさは持ち合わせているけれど。
でも、それも自分が出席した飲み会だったら、の話であって、そうじゃない飲み会に出席した同期の帰り道までは気にしないし、芝浦に限らずそれが普通だろう。
なのに、わざわざ『迎えに行くから』なんてメッセージを送ってきた芝浦の意図がわからず、返信を打つまでに時間がかかった。
『いいよ。あとで恩着せられても嫌だし。それに、飲み会に顔なんか出したら離してもらえなくなるよ』
『十九時開始だっけ。二十二時過ぎるようなら連絡入れろよ』
きっと裏があるんだろうと思い送った言葉はスルーされた。
代わりにもらったメッセージは、私に有無を言わせないような強引なもので、ますます首を傾げたくなったのは一か月ちょっと前のことだ。
結局、本気かどうかわからない芝浦の発言のせいで、その飲み会は二十一時に抜けた。
本当に迎えにこられたら変な噂が立ちそうで困る。
家についてすぐに『まだ飲み会中?』というメッセージが届いて『ううん。終わって、もう家』と帰すと『了解。お疲れ』とだけ返ってきた。
あれは一体なんだったんだろう、と考えているうちに、亜美たちと芝浦の会話は進んでいく。
「芝浦って案外心配性なんだね。今までの恋愛でもそんな感じ?」
「いや、あまり執着したことはない。学生の頃は全然気にもならなかったし。そう考えると少し変わったのかもな」
その言葉を聞いて、谷川くんが何かを思いついたようにパッと表情を明るくする。