エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない

「アイスコーヒー、なにか入れる? たい焼きが甘いからこのままで平気?」
「ああ。このままで平気。部屋、片付いてるな。桜井らしい」
「今日は午前中片付けてたから。いつもは洗濯物とか散らばったりしてるよ。仕事から帰ってきて一度座っちゃうとダラダラして動けなくなっちゃうから、なるべくその日のことはその日のうちにするようにしてるけど、サボっちゃう日もあるし」

帰ってきたらまず換気したあと、買ってきたものを仕分けしてそれぞれの収納場所にしまう。少しでも放置してしまうと面倒くささが倍増して、そのうちに視界に入るたびにため息が出る代物になり果ててしまうので、どんなに疲れていても頑張るようにしている。

朝浴室乾燥をかけておいた洗濯物を畳んだあと、お風呂掃除をしてお湯を張り、そこで休憩を挟むのが私のルーティンだ。

そのあと夕飯を作るか、冷凍のもので済ませるかを、飲み物と甘いものをお腹に入れながら決める。

ちなみに、その時の飲み物はお茶だったりコーヒーだったり豆乳だったりと色々だ。お茶のお供にしても、その時の気分で和菓子だったり洋菓子だったりする。チョコレート系が多いかもしれない。

お腹が空いているならいっそ夕飯を食べてしまえばいいのだけれど、そこで一息つかないと、例えレンチンするだけだとしても夕飯作りが頑張れないのだから仕方ない。

「いや、普通はもっと適当になるだろ。社会人のひとり暮らしなんか」

アイスコーヒーを飲みながら言われる。

「芝浦のほうがしっかりしてそう」
「まぁ、物が少ないから散らかるってことはないけど、家事は最低限しかしてないかもな。Yシャツもいよいよ着ていくものがなくなるってなってからまとめて洗うし」

たい焼きの入った紙袋を差し出すと、芝浦がなかから一枚とる。

「それで充分だよ。私は浴室に干してるから二日に一度洗ってるけど。ほら、狭くて、何日分もってなると干せなくなっちゃうから。干すスペースさえあれば、もっとまとめて洗ったほうが節約になりそうだなーっていつも考える」

話しながら、置きっぱなしになっていた携帯を手にとる。

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