俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「無理無理。やっぱあり得ないって」
ひとり苦笑して呟き、ひじ掛けに凭れかからせていた体を起こす。
今日は周防さんもどこかへ出かけたみたいで、夕方私が帰ってきたときには彼は家にいなかった。
時計の針は午後五時を少し過ぎたけれど、彼から帰宅の旨を報せる連絡はない。
(どこ行ったんだろ、周防さん。晩ご飯別々とは言ってなかったけど……そろそろ帰ってくるのかな)
周防さんの交友関係はめちゃくちゃ広い。仕事柄と彼の性格もあってか、私的な友人から仕事がらみのお付き合いまで、常にお誘いの声が掛かっている状態だ。
別行動するときは必ず誰とどこへ行くかは伝えていってくれるのだけど、はっきり言って私は把握しきれていない。
(退職した先輩と飲みにいくって言ってたっけ? あれ、それは今週の木曜日だっけ?)
そんなことを考えていたら、テーブルに置いておいたスマートフォンからメッセージの着信音が鳴った。
逸る気持ちで手に取れば、それは案の定周防さんからのメッセージだった。けれど。
「……何、これ……?」
【今日は会えてうれしかった。ゆっくり出来なくてごめんな。また必ず時間作るから、今度はふたりきりで会おう。愛してる】
どう考えても私宛てではないその内容に、目を見張って動けなくなる。