俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
「あー馬鹿らしい。なんで俺が浮気なんか疑われなくちゃなんねえんだよ。言っとくけど俺、めちゃくちゃお前のこと好きだぞ」

なにひとつ解決していないというのに、その言葉が、抱きよせてくれる手が嬉しいと感じてしまう。胸がキュッと締めつけられて、切なさと幸福に溺れそうになる。

……けれど。

「そ、それは知ってます。でも……周防さん、私じゃ女としての魅力を感じないんでしょ? だからほかの女の人とそういうことするんでしょ?」

彼が私のことをめちゃくちゃ好きなのは、惚れ薬が効いているのだから当たり前だ。それも虚しいけれど、問題は惚れ薬でもどうにもならないほど、彼が私に性的な魅力を感じないということだ。

つくづく情けないと思う。恋心すら偽物で、女としても魅力を感じてもらえず浮気をされるなんて。しかも私の方が周防さんに本当に恋してしまって、こんなに醜態をさらすはめになるなんて。

どこまでも格好悪い自分が嫌になってまた泣きそうになっていると、周防さんは胸から私を引きはがして、「だからどうしてそうなるんだよ!」と眉間にしわを刻んで言った。

それから目に涙をためている私の顔をじっと見て言葉を詰まらせると、「お前……」と呟いてから表情を真剣なものに変えた。

「お前、もしかして……俺に抱かれたいのか?」

ものすごくストレートに聞かれ、恥ずかしさのあまり頭の中が一瞬でパニックになる。
 
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