俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「こ……小宮山さん! あの、えっと、さっきはお茶ごちそうさまでした!」
よりによって今、小宮山さんからかかってくるなんて!
ただでさえ抱いていた妙な恥ずかしさがさらに増したみたいで、私は変なテンションで喋ってしまう。
『こちらこそ、時間作ってくれてありがとう。ごめんね、急にあんなことお願いしちゃって。びっくりしたよね。頼み方も強引だったなって反省したんだ。それで、梓希さんに嫌な思いさせてたら謝りたいと思って。ごめんね』
ああ、やっぱり小宮山さんは優しい。大切なお願い事をされたのに快い返事をしなかった私に、こんなに気を遣ってくれる。
「とんでもないです。私こそ……すぐにお返事出来なくてごめんなさい」
『気にしないで。本当ならこんな頼み事、怒って断られても当然なのに。考えてくれるなんて、梓希さんは優しいね』
お断りするつもりだったのに、そんな言われ方をすると罪悪感が湧いてしまう。
困っているうちに小宮山さんは『それじゃあ、もし気持ちが決まったら連絡してね』と告げて通話は終わり、私は(うーん)と眉間にしわを刻んでスマートフォンを置いた。すると。
「おい」
不機嫌オーラ全開の声で呼びかけられ、私は周防さんを待たせていたことをハッと思い出した。
「あ、ごめんなさい。お待たせしました……?」
いいムードの途中だったけれど、『お待たせしました』もなんかおかしいなと小首を傾げると、再び重低音の「おい」に呼びかけられ、こめかみに汗が伝った。