俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
リフレッシュスペースに設置してあるテレビを指さし大声で叫んで立ち上がった私を、小宮山さんも周りでくつろいでいた他の人たちも驚きの眼差しで見ている。

けれど私はそれどころではなかった。

「え!? 逮捕って! ちょっと待って!」

知人に犯罪者がいないのでわからないのだけれど、逮捕されてしまったら私のような外部の人間はおいそれと会えなくなってしまうんじゃないだろうか? 面会とかで会える? でもそれって刑期が確定して刑務所に入ってから? 時間かかるの? それはかなり困る!

「こ、小宮山さん! 容疑者に面会っていつ出来るか知ってますか!?」

「へ? え、いや、知らないけど……ちょっと落ち着かない?」

ドン引きしている小宮山さんの顔を見て、私は自分が我を失っていたことに気づいた。

「あ……す、すみません」

小さくなって椅子に座り直すものの、興奮でまだ胸がバクバクいっている。

ようやく、ようやくシャーマン美鈴を見つけたのだ。それなのに逮捕されて手の届かないところに行ってしまうだなんて。一難去ってまた一難のこの状況に、冷静でなんていられない。

「……梓希さん。なにか困ってるなら僕に相談してみない? 力になれるかは分からないけど、きっとひとりで悩んでいるよりかは心が軽くなるよ」

「こ、小宮山さん……」
 
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