俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
(いいなあ、小宮山さん。せめていつか小宮山さんとふたりきりで食事ができるようになりたいなあ)
そんなことを思いうっとりとしていると。
「あ、周防さんご一緒だったんですね。こんばんは、お疲れ様です」
小宮山さんが奥の席に座っていた周防さんに気づき、ぺこりと頭を下げた。
「お疲れ様です。小宮山さんもこれから晩飯ですか? よかったら一緒にどうです?」
周防さんも軽く頭を下げ、お得意の営業用爽やかスマイルを浮かべる。
周防さんが誘ったのをいいことに、私もそれに便乗して小宮山さんに同席を勧めた。
「そうですよ、ぜひ一緒に! さあ、さあ、さあ」
周防さんとふたりきりというシチュエーションから逃れられるうえ、小宮山さんと一緒にお酒が飲めるなんて。一気に地獄から天国だ。
けれど小宮山さんは眉尻を下げて笑うと「実はこれからチームで食事がてらの打ち合わせなんで……」とやんわり断った。
それと同時にお店に入ってきたお客さんが、「小宮山さーん」と声をかける。うちの会社のクリエイティブ部門の人たちだ。
「それじゃあ、失礼します」と一礼して、小宮山さんはテーブルから離れていった。
私と周防さんに気づいたクリエイティブ部門の人たちも、こちらに向かって会釈をしたり手を振ったりする。