俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「――ん……」
目が覚めたとき感じたのは、気管の心地よさだった。微かに香るハーブのいい匂いと、ほどよい湿り気を帯びた空気。
(呼吸が楽だ……うれしい……)
あたり前に呼吸出来ることがありがたくて、私は安心のあまり再び眠りに引き込まれそうになる。
けれど、すぐ近くで人の動く気配を感じて、ハッと頭が覚めた。
「……どこ?」
開いた双眸に映ったのは見知らぬ天井。首を横に動かして見た光景は、白い壁と木目調とアースカラーの家具を基調にしたナチュラルモダンな室内。そして――。
「お、起きたか」
ワイシャツ姿の周防さんが、そこにいた。
「え? ここどこ? って私……あれ?」
ガバッと体を起こし辺りをキョロキョロと見回す。その勢いで冷たい空気がヒュッと気管に入り込み、とたんにゴホゴホと咳が出た。
「あー馬鹿、何やってんだ。ほら、あったかくして寝とけ」
周防さんは私の肩を押さえると強引に体を寝かせる。そこで私は初めて、自分がベッドに寝ていたことに気がついた。