俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
(……自分ち帰った方がいいのかな……。でも、おとなしくしておけって言われたし……)
冷静に考えれば自宅へ戻るのが正しいのだけれど、熱があるせいか判断力が鈍っている。それに、ふかふかのベッドに加湿器でほどよく空気の潤っているこの部屋は心地いい。手元に水分と薬があるのもありがたい。今から寒い外へ出て乾燥している街を歩き、痛む頭とだるい体をひきずって自宅まで戻るのは正直しんどい。
(周防さんが帰るまでの間、もう少し休ませてもらおうかな)
もうひと眠りすれば自宅へ帰る体力分くらいは回復するかもしれないし、と心の中で言い訳をして、私は薬とスポーツドリンクを飲んでから布団に深く潜り込むとゆっくりと瞼を閉じた。
再び目が覚めたとき部屋はすっかり暗くなっていて、ベッドサイドランプの仄かな灯りがついているだけだった。
(今何時だろう……)
あれからどれくらい寝ていたのだろうと思い、私はベッドから起き上がるとまだ少しふらつく足もとに気をつけながら、寝室のドアを開けた。すると。
「お、調子はどうだ」
寝室はリビングと繋がっていて、ソファに座ってノートパソコンを開いていた周防さんが振り返った。その姿は長袖Tシャツとルームパンツに、濡れたラフな髪という風呂上がりのスタイルで、彼がずいぶん前に帰ってきていたことを表していた。
「か、帰ってたんですね。すみません、すっかり寝込んじゃって……今何時ですか?」