俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「もうすぐ十一時かな」
その返事を聞いて、私は目をまん丸くする。
「ご……ごめんなさい! こんな遅い時間までお邪魔しちゃって! すぐおいとまします!」
思っていたよりずっと時間が過ぎていたことに衝撃を受けた。私ってばいくら周防さんが親切にしてくれたからとはいえ、甘えすぎだ。彼だって疲れて帰ってきただろうに、こんな時間まで病気の他人が家にいたらくつろげないに決まっている。
帰り支度をしようと焦る私は、自分がスウェットを着ていることに気がついた。当然、着替えた覚えはない。
「え? え!? これって?」
スウェットの裾を引っ張って目を白黒させていると、ソファから立ち上がってやって来た周防さんに「落ち着け」と頭をポンポンされてしまった。
「とりあえず飯食え。お前、結局あれから何も食ってないだろ。うどん作ったから食べろ」
「で、でも、これ以上ご迷惑は……」
「迷惑じゃないって言っただろ。おとなしく食わないと無理やり鼻から流し込むぞ。分かったか」
なんか恐ろしいことを言われた気がして、私はとっさに「は、はいっ」と返事してしまう。
おとなしくダイニングのテーブルに着いていると、少し経ってから熱々の湯気をたてるうどん鉢を周防さんが運んできた。ご丁寧に小鉢とレンゲもついている。