俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「で、で、で、でも……!」
「病人をこんな夜中に帰すわけにいかないだろ。それにお前が風邪ひいたのは俺のせいなんだから、治るまで看病させろ」
ああ、そういうことかと、私は内心ほっとする。自分だけ妙な意識をしてしまったことが恥ずかしい。
「でも、これ以上ご迷惑は……」
「お前、熱で脳みそ溶けたのか? 迷惑じゃないって言うの三回目だぞ。今度言ったら顔中に冷却シート貼るからな」
冷却シート十六枚入りの大箱を手に持って見せつけられ、私は思わず口を噤んだ。
「それに恋人同士なんだから、こういうときは頼って甘えろよ。その方が俺は嬉しい、分かったな」
きっぱりとそう言い切った周防さんを見て、私はまたしても強烈な違和感を覚え首を傾げそうになった。
(……あれ? さっきから物言いがずいぶん尊大じゃない? なんかもとの周防さんに戻ったような……? でも今、恋人同士だから甘えろって……。あれ? 今の周防さんって惚れ薬効いてるの? 効いてないの?)
なんだかよく分からなくなって、ひたすら目をしばたたいてしまう。
すると周防さんは私の頬を手で挟み、「なんだその素っ頓狂な顔は。返事しろ、返事」とモニャモニャと頬を捏ねた。