俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
やっぱりかなり酔っぱらっているらしい。周防さんは私を抱きしめたままニコニコととろけそうな笑顔で頬を擦り寄せてくる。
「かわいいなあ、お前は。本当にかわいい」
そう言って顔にキスの雨を降らせてくるものだから、私は赤くなりながら焦って彼の腕から抜け出そうとした。けれど酔っぱらっているのに腕の力はしっかりしていて、私の体をがっちり拘束している。
「ちょ、ちょっと。周防さん、ストップ! ストップ!」
「ははは、お前顔まっか。そういうとこもほんっとかわいい。まったく、そんなにかわいいと襲っちまうぞ」
冗談めかして言いながらも、周防さんは私の首筋にカプリと甘噛みした。
首筋に唇や歯が当たる初めての感触に、思わずビクリと肩が跳ねる。
「や、やだ……」
ただでさえドキドキしていた心臓がさらに加速を始める。緊張のあまり全身がこわばって、彼の体を押しのける腕に力が入らない。
恋人なのだからいつかこういう日が来るかもしれないと漠然と思ってはいたけれど、いざとなるとやっぱりちょっと怖い。自分が相手から性的に求められているのだと初めて実感することは、想像以上に私を緊張させた。