先輩手に入れます!

いつもなら、楽しい試合も
全然楽しくなくて
いつもなら、活躍する先輩の姿を
1番前の席で見てるのに
先輩の事、見られなくて...
私はグラウンドを後にした。

初めて、私は先輩の事で落ち込んだ。

先輩と少しずつ距離が
縮まって行く事が嬉しくて
少しずつ先輩が私の事を
気にしてくれるようになった事が
幸せで、いつの間にか
距離感が分からなくなっていた。

ただ、私はいつもの場所で
いつも通り先輩の応援をする事さえ
出来れば幸せ...だったのに。

学校と駅を繋ぐ並木道の途中にある
公園のベンチに座りながら
私はただただ泣いていた。

夕日が沈み、暗くなっても
その場所を動かなかった。
こんな日は...1人の方が気楽でいい。
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