先輩手に入れます!

瀬那「でも、一番好きな顔だ。」

先輩はそっと手を離す。
解放されたのに私は先輩から
目を離す事が出来なかった。
だって...

雫「先輩ってドSですか?」

瀬那「いや。俺はノーマルだ。」

先輩が今まで見た事のない表情を
浮かべていたから。

雫「泣き顔が好きってドSじゃないですか。」

瀬那「泣き顔が好きな訳じゃない。
悲しみを包み隠さずありのまま
涙を流すお前が好きなんだ。」

雫「物は言いようですね。」

瀬那「信じてないのか?俺の言葉。
あれか?オオカミ少年みたいなもんか。」

自嘲的に笑う先輩はやっぱり
カッコよくて大好きで
でも、私みたいで大嫌いだった。

だけど、多分。今この胸に
溢れている気持ちを
言葉にするのなら...私は...
世界で一番先輩の事が好き。なんだ。
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