先輩手に入れます!

つまらない理屈とか。
つまらないプライドとか。
先輩のためを想うだとか。
お姉ちゃんが死んだとか。
私だけが幸せになっちゃいけないだとか。
両親が大嫌いだとか。
匡貴が優しいだとか。

全部全部とっぱらって
素直な気持ちを言葉にするなら
私は先輩が大好きだ。

雫「信じてますよ、どんな言葉も。
先輩が言うのなら信じます。
だって、私は世界で一番
先輩の事が好きですから。」

先輩はしばらく私の顔を見つめた後
優しく私の手をとった。

瀬那「北見。これからは隣にいろ。
追いかけるんじゃなくて
走るんじゃなくて
俺と手を繋ぎゆっくり歩こう。」

その優しい笑みが大好き。

でも、1つだけどうしても
とっぱらえない事があった。

先輩の気持ちだけは
どうしてもとっぱらえない。
だって、先輩は私に同情している。

雫「先輩らしくないですね。」

瀬那「お前は俺が嫌いか?」

雫「何度も言わせないで下さい。
私は先輩が好きです。」

瀬那「だったら、付き合おう。」

雫「同情ですか?」

瀬那「違う。」

雫「じゃあ、何でですか?」
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