拾いものは危険な恋のはじまりでした
雄大、五月side

奏が嫁にしたいと女を連れてきた。

性欲処理の女は今までいたようだが、それ以外には全く女の気配が無い

奏の見た目に群がる女や縁談を持ち込むものも多くいたが、見向きも

しない奏に組の今後もあり心配の声は多かった。

だが、年末近く組が“事始め”で忙しく動き回っているとき

奏が時々いなくなることが増えた。

初めに気がついたのは、五月だった。

「最近、奏の様子が変な気がするんだけど・・・」

そう言われてみれば、そんな気もするが・・・

奏の側近の司を呼びつけ、問い質すと「実は・・・」と口を開いた

11月に奏が熱を出し倒れていたのを助けた女がいる、その女は奏のことを

桐生組の若頭とは知らないが、奏は本気で自分の女にしたいと動いていると

女は施設の前に赤ん坊のころに捨てられていた孤児で、今は桐生組の島

にある、小料理屋「花かつみ」で働いていることを知った

司からは、奏の初めて好きになった女だから、今のところは黙って見守って

ほしいと頭を下げられた

五月に事の次第を話せば、大喜びで早く相手に会いたいとせがむが、どうにか

宥め様子をみることにした。

なかなか俺たちの前に相手を連れてこない奏にヤキモキしている頃

相手の小春がストーカーにあっていると司が知らせてきた、俺達もそれと

なく探るが、なかなか尻尾を掴めないでいた。
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