拾いものは危険な恋のはじまりでした
そんな時、小春が襲われストーカーの男が組の地下に連れてこられた

後処理に来た奏に、

「奏、俺も五月もお前が選んだ相手を反対する気はない。

そろそろ、連れてこないか。五月が楽しみにしてる。」

といえば、もう少し待ってくれという。聞けば、4月が相手の誕生日で

その時にプロポーズするということだった。OKなら直ぐ連れてくるからと

今まで見たこともない照れ笑いを浮かべ帰っていった。

あの、冷酷非道と言われ笑った顔などみせたこともない奏が・・・

そこまで奏を変えた相手に早く会いたいと思った。

4月のある朝、奏から電話がきた

「今日、連れていく」

五月と共に今か今かと待った・・・

奏が連れてきた相手は、色白の小さい女、奏と並んでも見劣りしない容姿

だが、不安そうに瞳を揺らしていた。反対されると思っているのだろう

奏の立場や組の事、狙われる可能性・・・一般人のこの子には辛い現実を

伝え、どうかと問い質すと、それまで気の弱そうに儚げにうつっていた瞳

が、嘘のように力強く俺を見据え、「奏とは離れない」と言う。

その時、昔から知る俺の親友と同じ目をそこに見た気がした。

その事を五月に言うと

「実は私も、小春ちゃんが小夜さんに似てる気がするの、不思議ね」と

親友の嫁と似てると言う。
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