転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
リヒャルトは、半年ほど前まで、目立たないことに専念していた。皇太子としての最低限の義務は果たしていたものの、本人が今口にしたように、表舞台には極力出ないようにしていた。
それは、かつてこの皇宮で皇妃をしのぐ権力を持っていたティアンネ妃が、リヒャルトを敵視していたから。
おまけに、皇妃の母国は滅亡していて、後ろ盾となってくれる有力者もいない。たしかに、そんな中でリヒャルトに嫁いだところで、苦労することは目に見えていた。
「持ち込まれる縁談もさほど多くはなかったんだがな。まったくなかったというわけではない」
苦笑まじりにリヒャルトは、ヴィオラを抱きしめる腕に力をこめる。リヒャルトの大きな手がゆっくりと髪を撫で、それからなだめるようにヴィオラの背中を撫でる。
それは、男女の愛情ではなく、幼い子供に対する行動なのはヴィオラにもよくわかっていた。今、リヒャルトの目にヴィオラはまさしく子供として映っているだろうということも。
「しつこく縁談を持ちかけてくる者はいなかったということは――俺に近づいてもあまりいい目を見ることはできないというのが、彼らの判断だったんだろうな。そして、それは正しかったと俺も思う」
皇妃である母と皇太子である息子。皇宮の中心にいながらも、けして中心とは認められなかった二人。
それは、かつてこの皇宮で皇妃をしのぐ権力を持っていたティアンネ妃が、リヒャルトを敵視していたから。
おまけに、皇妃の母国は滅亡していて、後ろ盾となってくれる有力者もいない。たしかに、そんな中でリヒャルトに嫁いだところで、苦労することは目に見えていた。
「持ち込まれる縁談もさほど多くはなかったんだがな。まったくなかったというわけではない」
苦笑まじりにリヒャルトは、ヴィオラを抱きしめる腕に力をこめる。リヒャルトの大きな手がゆっくりと髪を撫で、それからなだめるようにヴィオラの背中を撫でる。
それは、男女の愛情ではなく、幼い子供に対する行動なのはヴィオラにもよくわかっていた。今、リヒャルトの目にヴィオラはまさしく子供として映っているだろうということも。
「しつこく縁談を持ちかけてくる者はいなかったということは――俺に近づいてもあまりいい目を見ることはできないというのが、彼らの判断だったんだろうな。そして、それは正しかったと俺も思う」
皇妃である母と皇太子である息子。皇宮の中心にいながらも、けして中心とは認められなかった二人。