転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
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 皇帝は時々、皇宮で暮らしている者全員を集めて食事会を行う。それは、互いの交流を図るという目的も持ち合わせていた。

 ヤエコは留守にしているものの、タケルはしばらくの間皇宮で生活するということで、タケルを皆に紹介するための食事会が開かれた。

 食事会の席は、毎回組み合わせが変わるように工夫されている。それは、同じ宮で生活している者以外にも交流を持つようにという皇帝の計らいだ。

 オストヴァルト帝国は、大陸の中心であるという自負を持っている。

 それは、帝国がこの大陸一の勢力を誇っていること。そして、各国からの人質兼留学生を受け入れているからであった。

 ヴィオラの席は、タケルの向かい側に用意されていた。

このところ、ヴィオラの席は皇妃の近くに用意されることが多かったから、他の国から来ている人達の間にまざるのは久しぶりだ。

 多数集まっている若い王族や貴族達の間に、皇子や皇女達もばらばらになって座っていた。

(リヒャルト様は、どこかしら……?)

 ヴィオラは、視線を巡らせてリヒャルトの姿を探す。

 婚約のことは気にするなと言ってくれたけれど、申し訳ないと思う気持ちは、どうしたって消し去ることができない。
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