転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 藍色の正装は、タケルをよりすっきりと、そして清潔感溢れるように見せていた。白いシャツも似合っているし、藍色の上着の袖口のところにだけ銀糸で刺繍されているのも、なかなか素敵だ。

 ヴィオラの今日の装いは、赤いベルベッドのドレスだ。大人の女性達が肌を露出しているのに対して、ヴィオラは高い襟のドレスを着ている。

 幼児体形なので、胸元を開けたところで、まったく色っぽく見えないのだからしかたない。その分、幾重にもレースを重ねた襟は華やかだし、スカートにつけられている黒いベルベッドのリボンも可愛い。

 髪にも、それとお揃いのリボンを結んでいる。右耳の上には、ヤエコからもらった髪飾り。ヴィオラの最近のお気に入りなのだ。

「……いいと思います」

「いいと思いますってなんだよ」

「とても、素敵ということです。お似合いですよ」

 タケルがけたけたと笑い、つられるようにヴィオラも笑みを浮かべる。

 タケルとの縁談を受けたいとは思わないけれど、彼には悪い印象もない。友人としてならば、仲良く付き合っていけそうな気がする。

「……ミナホ国の人間も、そうしてみると俺達とあまり変わらないように見えるな」

 二人の会話に割り込んできたのは、ジャニス三妃の息子であるセドリックだった。たしか、リヒャルトより二歳年下だっただろうか。
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