転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~

(私のことを、考えてくれてのこととは言っても……やっぱり申し訳ないなって思っちゃう)

 大人になって、ヴィオラが嫌だと言えばいつでも解消できる。

 ヴィオラにとってそんな有利な条件をつけてくれるなんて、厚意が過ぎるというものだ。

 向かい側に座ったタケルは、こちらを見てにやりとする。

 今日のタケルは、深い藍色のオストヴァルト帝国風の服を身につけていた。いつもは着物を着ているのに珍しい。

「タケル様は、今日は着物ではないんですか?」

「こういう場に出る時は、ちゃんとした服装をするさ。いいだろ、これ。皇妃様が紹介してくれた仕立屋でつくったんだぜ」

(子供っぽさを利用しろってニイファは言うけど、これで合ってるのかしら……)

 ニイファは、ヴィオラに子供っぽい服装をさせることを好む。それは、この皇宮内でヴィオラが生き残るための手段であるとも前に話してくれた。

 ニイファが選ぶヴィオラの装いは、実年齢より幼く見える容姿を最大限に生かすためのもの。

子供の前では皆、油断するから、相手の油断を誘うのだ――というニイファの言葉を頭に思い浮かべながら、懸命に話題を探す。

「セドリック殿下は、何がお好きですか? 私は、ベリーを乗せたチーズケーキが好き。あと、仔牛のパイ包み焼き!」

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